ビスホスホネート、デノスマブ投与患者

における歯科治療

 ビスホスホネート、デノスマブは骨吸収を阻害する薬剤で、骨転移があるがん患者 および骨粗鬆症患者の治療に用いられています。有効性が高く内科、整形外科などで重宝されているお薬ですが、難治性の顎骨壊死が低頻度で起こることが報告されています。

 

 骨吸収抑制薬に関連した骨壊死が顎骨にのみに発生する理由は、顎骨は上皮を貫通して歯が植立しているためお口の中の細菌が骨に感染しやすいためです。ONJ 国際タスクフォースの見解(1)によると、骨粗鬆症患者においてはビスホスホネート関連顎骨壊死の発生率は 0.001∼0.01%で、がん患者においてはより高頻度でおこることが報告されています。

 

 骨吸収抑制薬関連の顎骨壊死を防ぐためには口腔内衛生状態を改善することが大切です。顎骨壊死検討委員会によるポジションペーパー(2)によると「全ての歯科治療は骨吸収抑制薬治療開始の 2 週間前までに終えておくことが望ましい」とされています。しかし、「がん患者で骨吸収抑制 薬治療を遅らせることができない場合や、骨折リスクが高い骨粗鬆症患者では骨吸収抑制薬治療と歯科治療とを並行して進めることもやむを得ない」とされています。

 上野歯科医院では医科との連携をはかり、骨吸収抑制薬関連の顎骨壊死の予防に努めます。

(1) Khan AA et al. International Task Force on Osteonecrosis of the Jaw. Diagnosis and management of osteonecrosis of the jaw: a systematic review and international consensus. J Bone Miner Res 30:3-23. 2015

(2)米田俊之ら. 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理 : 顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー 2016